水栓トイレの排水方法 2016年10月18日
毎日利用しているトイレは、メーカーの企業努力により年々新化しています。
見た目は似ていても、洗浄力・機能・エコなどのグレードが違い、シンプルなものからライト・音楽などでリラックスできるものまで多種多様です。
今回は、そんな興味深い機能面ではなく、普段使用していても気にならないであろう洗浄方法の違い・種類についてご紹介します。
洗い落とし式
水の勢いのみで排水する方式で、構造も簡単・安価ではありますが水はねや大きな洗浄音・汚物の跡が残る事もあり、洋式便器の登場初期に主流でしたが現在は採用例は減っています。
セミサイホン式
溜水面がサイホン式と洗い落とし式の中間で、洗浄水量を抑えています。サイホン式と比べると水はねなどがあります。
ネオボルテックス式
水の勢いと渦の作用により排水する方式で、洗い落とし式より溜水面が広く、洗浄音も静かです。
ワイドボルテックス式
ネオボルテックス式と構造は同じで、溜水面がサイホン式と同等の大きさになっています。2006年から採用され、マンションで構造上サイホン式が導入しにくい為、普及した。
サイホン式
排水路を屈折させ、サイホン現象による吸引作用で排水する方式。すぐ水中に流れた物が沈むため臭いが発散しにくい。現在では水洗トイレの主流となっています。
サイホンゼット式
排水口近くにあるゼット穴からの水の勢いを利用し、より強力なサイホン作用を発生させます。溜水面が広いので汚れがつきにくい。ただ水量を多く必要とするので、パブリック用で多く採用されていました。
ブローアウト式
サイホンゼット式のゼット穴の水の勢いを強めた洗浄方式。素早くサイホン作用を起こし、洗浄速度を上げます。ただ洗浄音はやや大きく、一定以上の水圧を必要とするので水槽直結式のフラッシュバルブとの組み合わせが必須。ビル高層階などでは使用できない。
サイホンボルテックス式
ゼット穴ではなく、排水口横に設けた穴から渦をまくように静かに水流を発生させ、サイホン+渦の力により排水します。
タンク一体型のワンピース便器で多く採用され、洗浄音は極めて静かです。ただ水量を多く必要とするので、最近ではサイホン式・サイホンゼット式を採用したワンピース便器に移行しています。
シーケンシャルバルブ式・、ダイレクトバルブ式・エアドライブ式
水道直圧式で、タンクの無いタンクレスで採用されています。タンクに水を溜める時間がないので、連続使用が可能。溜水面・洗浄水の出る位置もサイホンゼット式に近いため、一部カタログではサイトンゼット式に含まれる事もあります。ただ電気制御のため、停電の際には手動ハンドルで水を流す必要があります。また水圧の低い場所では使えない為、水圧が低い場合は補うための底流動圧対応ユニット(オプション)を用意する必要がある。
ハイブリッドエコロジーシステム
シーケンシャルバルブ式と小型タンクを組み合わせたハイブリット。水道からの水は洗浄に使用され、タンクからの水は加圧されゼット穴から勢い良く噴出される新しい洗浄方式です。これにより水圧関係なく、マンションでも使用可能で、見た目もタンクレスのよう。
その他、和式では洗い出し式(主流)・洗い落とし式・サイホンゼット式・ブローアウト式(主に公共施設)・半トラップ式などがあります。
1989年~2001年ごろ発売されていた主なトイレは13Lが主流だったので、現在の最新エコトイレは4.8~3.8Lとかなりの新化を遂げています。トイレはだいたい10年~20年で故障が発生してきますので、それぐらい経つトイレを使用されている際は思い切って便器の交換を行われてはいかがでしょうか。